吉葦有梨 よのなかのこといろいろ

よしとあし、ありとなし

六十六日目 花火大会の一日

白浜の花火大会。昼間っから浜通りは大渋滞。
おかげでグラスボート乗り場行のバスが三十分近く遅れた、
一時間に一本しかないのによ〜。
違う路線のバスが先に来たから乗り込んじゃった、
すぐ気付いてロータリーの中で降ろしてもらったけど。
外来者はこのロータリーのルールがわからなくて
渋滞を悪化させてるふしがある。
       *
やっと来たバスの運転手は降りる私たち
(もう一組一家が乗っていた。乗客は以上五人)に
帰りのバスも遅れるから気をつけてと
念を押して空っぽにバスで去っていった。
この一家、バスが一時間に一本っての知らなかった。
たまたま来たバスに飛び乗ったラッキーな人たちらしい。
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私なんかバスセンターに一時間近くいたんだぜー。
そこの売店トルコ人のおじさん*1が作る
トルコのチキンサンド食べてたからだが。
時間があり過ぎて、おなかの調子さえ万全*2なら、
トルコののびーるアイスも頼んでたところだ。
パフォーマンス付きで楽しそうだったのに。
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この一家、円月島も初めて見たらしい。
チラシにはこの島の写真があるのに
どういうルートでグラスボートを知ったのだろう?
       *

船に乗る前写真を撮られる。う〜ん、買わなかった。
海女ショーはいらないような気がする。
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随分浅いところからアジやイサキがいっぱい。
大阪人の私は「おいしそうだなぁ」と思う。
水族館の水槽の前で食べる話をしていたら絶対大阪人だそうだ*3
岩礁の裂け目まで行くとサンゴが生えて熱帯魚ぽいのもいる。
ウツボが穴に入るのも見た。
こいつらは別においしそうじゃなかったが、
その日の夕食にウツボ柳川鍋が出て
プリプリしてなかなか美味であった。
これからはウツボを見ても「おいしそうだなぁ」と思うだろう。
       *
せっかく来たので京大研究施設の水族館も入る。
ここは十年くらい前に一家で行った。
魚類以外がとてつもなく充実している。
ということは気色の悪いものがほとんどということである。
うちの長女は水族館嫌い、海底嫌い。
毎年楽しみにしてる映画版『名探偵コナン』でさえ
海底が舞台となるとパスしたくらい。
久しぶりに来ると彼女の水族館嫌いはここのせいじゃと思い当たる。
私でさえ一本の脚が二十センチもあるヒトデの裏側は夢に出てきそう。
       *
バスを待つかどうか悩んでいた私の視界を
右から左へ横切って去ったものがある。
まぁこれで諦めついた。一キロあるけど歩きます。
幸い日も陰ってきたことだし、今日は風があるから気持ちがいい。
海沿いの道は景色が最高。
「円月島を見ずして白浜を見たと言うなかれ」

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とはいうもののここでも花火はよく見えるだろ、
海から直接打ち上げられるのは手前に小山があるけれど。
という訳でまだ午後四時前なのに
海岸線上のうねうね道ちょっとのスペースに車が並ぶ。
ご苦労さんなこって。
       *
民家のある場所はおもしろい。
左岸を積んだ石垣は海風と波に洗われ削られて、
セメント部分の方が出っ張ってる。
道路沿いセメントの塀に「ここで水位4m」とステンシルで刷ってあった。
海辺の生活の厳しさを見た。
このあたりは昔は海運業の盛んだった港だそうな。
海から引き上げられた「棒杭」、
嵐の時にはこれに舟を係留したという。
       *
そうこうしていたら、もうホテルが見えてきて、
こんなんだったら、行きも歩けばよかった。
いや、行きは照ってたから、まぁいいや。
       *
ホテルで中国式足つぼを今年もやってもらう。
毎年、三回目なので、先生にはしっかり覚えられていた。
去年はなかったTVに気が行ってたなぁ。
中国のオリンピックだから仕方ないかなぁ。
でも気持ちよかった。カヌー予選、中国強し。
       *
晩ご飯はさっさと済ませて、お風呂へ行った。
もうすぐ花火が始まるから、すいていた。
急げ、八時になっちゃう、部屋に駆け込む。
花火音が聞こえたぁ。しまったぁ。
ファンファーレの打ち上げ花火。
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一発に五・六色使ったカラフルなものと
色は一色だけど線の美しさが出るものとを
メリハリ付けて演出していた感じ。
ここのは水中から扇形に揚がる花火があるので、
立体的な演出が出来て、他のところよりおもしろいかなぁと思ってる。
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緑がいっぱいの中、青と赤と黄色の粒が光るクリスマスツリーみたいなの。
真ん中がキラキラキラと残るもの。
半球ずつ色が違う球が二重になったもの。
黄緑の目新しい色のひな菊のようなもの。
青緑色の魚が登場する仕掛け花火。
緑の小さいのをいくつもあげておいて、
大きなのをどーんと高く、ひまわり見立て。
土星型の花火!と思うとその輪郭だけが青い星で残るの。
カラフルな花火をいっぱい揚げて「フラワーアレンジメント」見立て。
ナイアガラの上に花のように打ち上げ花火。
最後は色をシンプルに様々な形が残るものをいっぱい揚げて、
空が花火でいっぱいになるほどに広がった。
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毎年見てるけど、今年は特になんか目新しいのが多くて楽しかった。
南風が強くて、煙が形を残したまま北へ流される。
次の花火の光で煙の形が見えるのがおもしろい。
軌跡を残すタイプのはなんだか蜘蛛みたい。
特大の柳型のものは北側の小山の森に落ちていくので、
火事にならないか心配になる。
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写真は連射で撮ってみた。
九枚取るので、全部保存のボタンを押すと
しばらくカメラが使えない。
それとカメラを構えてタイミングを待ってると
肝腎の花火を肉眼で見るのがおろそかになっちゃう。
クライマックスは取っとこうと思って失敗した。
でも、写真があったらあとで見て思い出して楽しいし。
こうやって思い出を書いて残しておくのが一番いいのかも。
花火も記憶もはかないものだから。

*1:逆三角形に胸毛の水着姿は似合ってたが、売り上げは下げてると思うな・・・

*2:寝不足と食べ過ぎがたたったらしい、午前中寝てたら元気

*3:やしきたかじんが言ってた