第百八十一話目 ブタのサラダ
毎年五月の終わりごろ、
ハイウェイの高架下に
黄色の目立つ花が咲く。
その花容は「タンポポみたいな」が
ぴったりはまるのだが、
茎が細くて長くて、なんと50cmくらいある。
その50cmの細い茎の先に
タンポポに色も形も大きさも
そっくりな花が風に揺れる。
タンポポ咲く野原は平和だが、
この光景はなんだかシュールだ。
いや、タンポポを知らなければ
これはこれで平和で美しいに違いない。
一体これはなんという花なのだろう?
ググった。
「茎が長い タンポポ」で一発で出た。
その名は「ブタナ」。
なんでブタ?
フランス語の「ブタのサラダ」を和訳したそうな。
なんでブタナ?
私なら、セイタカタンポポとか
クビナガタンポポってつけるがな〜。
wikipedia:ブタナ によると
ブタナの一年前に
タンポポモドキと命名されていたそうで
そっちの方が納得できるのに、
ちょっとフランス語も知ってると自惚れやがって誰だよ、
などとブタナに義憤を感じたのだった。