吉葦有梨 よのなかのこといろいろ

よしとあし、ありとなし

2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

第百六十五話目 夏と秋のせめぎあい

秋分の日早朝、とんでもない雷鳴に起こされる。 ごく近くに雷が落ちている。 それも間断なく落ちている。 今外に出れば空を支える大回廊の柱のように 数え切れないほどの稲妻が立ち並んでいるに違いない。 くわばらくわばら、これこそくわばらと唱えねば…。 …

第百六十四話目 ツクツクボウシ

地蔵盆が過ぎても気温が下がるきざしもない。 「暑いですねぇ」 「いつまで続くんでしょうねぇ」 と言い合っていると 「でもね、もう蝉は鳴いてないよ」 と言う人がいた。 確かに表のケヤキ並木、 ついこの間までクマゼミがうるさく鳴いていたはずだが、 今…