第百六十五話目 夏と秋のせめぎあい
秋分の日早朝、とんでもない雷鳴に起こされる。
ごく近くに雷が落ちている。
それも間断なく落ちている。
今外に出れば空を支える大回廊の柱のように
数え切れないほどの稲妻が立ち並んでいるに違いない。
くわばらくわばら、これこそくわばらと唱えねば…。
夜が明けて、いったん雨は上がったものの、
雷雨は午前中にもあった。
季節が大ジャンプをしたかのように涼しいを通り越して寒い。
夕方の天気予報を見たら、気象予報士の人が
「今朝の雷雨は夏と秋が戦って、
そのあと涼しくなったのは秋が勝ったということなんですね」と。
なるほどなるほどよくわかりました。
これで夏が勝ってたらまた大変だよぉ。
夏の筒姫と秋の龍田姫が戦ったってことね。
政権交代はもうちょっと穏便にお願いしますね。