吉葦有梨 よのなかのこといろいろ

よしとあし、ありとなし

六十七日目 職員ペンギン

アドベンチャーワールドにはペンギンがたくさんいる。
ここのを見慣れてるので何とも思っていなかったが、
「うわ、いっぱいおる!なんでこんなにおるねん」と
どっかのお兄ちゃんが叫んでいるのを聞いて
確かにたくさんいると気づいた。
       *
売店で売っている本で知ったのだが、
こいつらは卵で来日してる。
アデリーペンギンなどの中型ペンギンは卵を二つ産むけど、
ほとんど片方しか成鳥にはなれないので、卵を一個もらってくる。
オオサマペンギンの場合は
冬に向かうのにまだ卵ってのだけ、拝借してくるんだそうだ。
イワトビやコウテイペンギンはどうなのかは知りません。
また、この二種は数もそんなに多くない、どっちも10羽足らずかな。
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孵卵器に入った卵はファーストクラスで輸送されるんだって、
それをスタッフがときどきエコノミー席から様子を見に行ったり、
孵っちゃったヒナに餌をやりに行ったり大変だったようだ。
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この『ペンギン大行進!!』
飼育員さんの訥々とした語りが説得力のある本だ。
笑えるエピソードを描いたイラストも素人さんの絵ではあるが、
ペンギンの表情をさすがによく捉えていて感心した。
人なつっこく好奇心旺盛なペンギン像は間違いではないのだと
ますますペンギンが好きになった。
他に『パンダ』『オルカ』『イルカ』のシリーズがある。
ネット通販でも売ってるし、大阪なら、
旭屋書店本店/天王寺MIO店/なんばCITY店 KuLaSuなんばパークス
和歌山県田辺市多屋孫書店/あおい書店/アーク?で販売されているそうな。
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ペンギンは「海獣館」にエンペラー・アデリー・ヒゲ、
「ペンギン王国」にキング*1・ジェンツー・イワトビ、
エントランスにケープペンギンが地味にいる。
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かわいらしさでゆくとシンプルな白黒柄に
ホワイトアイラインで目の表情の強調されたアデリーペンギン
造形の美しさでゆくとキングペンギン。
目の表情が見えないので取り澄ました印象を受けるが
上記の本によると相当なイッチョ噛みらしい。
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自分に関係のないことまで首をつっこんだり
落ち着きのない性格なんだという。
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この写真、ジェンツーペンギンが一羽抱えられて、
脚か何かを調べられていた。
右側の心配げに見守る同じジェンツーの群れはわかる。
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が、左端のキングペンギン、
この写真ではまだおとなしくしているのだが、
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そぉーっとそぉーっとジェンツーの方に近づく。
何か話しかけるのでジェンツーもパタパタ答える。
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そのたびにスタッフに
「あんたはあっちに行って」と追い払われるのだが、
そう遠くへは逃げず、
また隙を見て近づくのである。
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このジェンツーの治療が終わって、
別の鳥の治療にかかったときも付いてきたし、
ジェンツーに小魚を配るときもスタッフに寄り添っていた。
別に小魚目当てでもないようだ。
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単なる仲間意識とか好奇心ではなく
こいつ絶対自分のこと人間だと思ってると思う。
卵で運ばれて、人間に育てられたら、
人間だと考えるのもムリないけれど、
それだけでなくちっちゃいのや病気な鳥の面倒を見る
職員さんだと自分のこと勘違いしてると思うな〜。
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そぉーっとそぉーっと何度も近づく彼が
おかしくっておかしくって、あ〜楽しかった。
       *
日本人はペンギン好きらしいんだが、なんでだろう。
ころころした体型と幼子を思わせる動きが
そのままでキャラクターみたいだし、
集団でいると個性がない集団ってのも
日本人っぽいかもしれないな。
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これのVol.6に『動物と話そう』が収録されている。
1993年にアドベンチャーワールド越前屋俵太
いろいろな動物たちにインタビュー(?)している。
ペンギンもとてもおもしろい。
ここでもキングペンギンがいっちょかみしてるなぁ。
私は『探偵!ナイトスクープ』の松原千秋秘書のころからのファンだが、
20年足らず見続けて、これが一番好き!だと思う。
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*1:「オオサマペンギン」という名前が好きなのだが