吉葦有梨 よのなかのこといろいろ

よしとあし、ありとなし

二十一日目 田んぼ

月一回行くところは大阪の郊外、生駒山地の南部に当たる信貴山の麓、
住宅化の波が押し寄せているけれどもまだ田んぼやら畑やらが見られる。
八尾市の東側は、大阪の郊外なので植木村などあったわけだが、
庭木をゆったり植えた庭なんか大阪じゃ大変な贅沢になっているから、
だんだんにその数は減っていった。
同じく大消費地に近いことを利用した花卉栽培も減ったもののまだ盛んだ。
       *
目的地の前に畑地がある。先月はヒペリカムの花が咲いていた。
山吹色の五弁花に花火みたいに飛び出た黄色いおしべと
花も美しいが花卉として出荷されるのは真っ赤な実だ。
その向こうには菊も植わっていた。
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今日行ってみたらば、そこは田植えが終わったばかりの田んぼだった。
水を引く仕組みがあるんだろうが、
田んぼの土って園芸書ではダメダメと言われそうな
重い通気性の悪そうな土のような気がするんだけど、
そんなことはないんだろうねぇ。よくわからない。
そういえば、手前の田んぼは確かキャベツ畑だったはずだ。
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満々と水をたたえた田んぼは日本の原風景、
もっとも美しいものの一つだと
海外から帰ったあと、成田空港付近の田んぼを見下ろして思った。