吉葦有梨 よのなかのこといろいろ

よしとあし、ありとなし

百二十九話目 八割欠けた部分日食

7月22日、前日の天気予報は曇り時々雨、
でも、朝7時に起きると大方の空は晴れていた。
ばんざーい!!!バンザーイ!!!ばんざーい!!!
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が、9時前に外へ出ると空全体を厚く雲が覆っていた。
なんで、どうして、いや、そういう天気はよくあるんだけど、
なんでまた今日なの・・・・。

これに付いていた付録の日食メガネを
次女に渡そうとしたけど冷たく拒否された。
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これを買ってあったのに、
母が日食メガネを二つもくれたのだ。
長女は地下街でバイト中の時間、
夫は付き合ってくれないし、
一個余ったので、前日に職場においてきた。
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そもそも母がくれたのは、
父が二つ、母も二つ、同じ日に日食グラスを
買って来ちまったのだそうだ。
それは上海日食鑑賞と「銭塘江の大逆流」を見るツアーに
キャンセルが出て行けるようになったかららしいのだが。
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次女を送っていって、九時過ぎからテレビで
日食放送を見る。「とくダネ」。
元宇宙飛行士の毛利さんは前回の皆既日食を体験して
人生観が変わったのだそうだ。
スペースシャトルで宇宙に出た時に匹敵するんですねと
尋ねるスタジオに「いや、それ以上です」と言い切ってなすった。
いよいよ、欠け始めの実況放送。
笠井アナ右上が欠けてるのに右下だと言う。
 以前は佐々木アナがさりげなく訂正入れてくれてたのだが、
 まぁ、中野アナの年齢差とキャラでは気づいてもムリですが。
 毎日間違い放題、その間違い放置状態ですよ。
 今回はさすがに訂正が入った。

おおお、見る見る欠けていく。
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いいなぁ、奄美大島は。
でも、悪石島は土砂降りみたいだ。
上海はどうなのかなぁ。
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バタバタ家事をやってるうちに
雲が厚くなってきたようで、
窓の外は雨でも降りそうな暗さだ。
カサ持って家を出た。
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あれぇ、雨じゃないなぁ。
雲は厚くなってないのに暗い・・・。
そして空気がひんやりとしている。
9時頃よりなんだか涼しい。
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!!!これが日食ではないの?
早速、日食メガネを取り出す。
太陽はほとんど真上だ。
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おおお、見えました〜!
左側が残った三日月型だが、
本来の三日月よりずっと弓なり具合が強い。
三日月の黒いところは光の当たっていない影に過ぎないが、
この太陽の欠けは月そのもの、
普段は見られない新月そのものなのだと思うとなんだか感動する。
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めがねを外すと、
薄い雲越しに三日月型が見えてるではないか!
これなら写真が撮れる〜!
大急ぎでカメラを取り出したが、
厚い雲に覆われて、しばらく待ったが出てきそうにない。
仕方なく、いつもより暗いうちんちの写真を撮ってみる。
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その後も雲は晴れることなく、
暗い中を走っていった。
翌日の新聞地方版によると奈良では
私が見上げたその時間だけ雲の切れ間から太陽が見えたらしい。
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今まで私が体験した日食は4割か6割ほどの部分食で、
黒いフィルター越しでないと欠けていることが分からなかった。
長女は前回友達とフィルターの回しっこをして見たのだそうだが、
「今回だけなんでこんなに騒ぐの?」と聞いていた。
「日本の端っことはいえ、
 日本国内で皆既日食が観測できるのは46年ぶりだからだよ」
なんてえらそうに答えていたが、
6割と8割では全然違うなぁ。気温も違う。
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天体に鈍くなってる現代人でもこんなんだから、
昔の人はきっと気づいただろう、
この時間帯に雲も厚くないのに何故こんなに薄暗い?
と見上げると太陽が月のように欠けている!!!
卑弥呼の死んだ年とその前年、
北九州では深く欠けた部分食が見られた。
卑弥呼の死と天の岩戸伝説はこのことを示しているのでは
という説があるそうだが、
皆既日食でもないのにわかるかなぁと思ってた。
が、これならわかる。
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一回目は9割欠けた日が西の海に沈んでいったんだそうで、
水平線上に雲がかかってるのは結構あることだから、
おそらく欠けてるのも分かったんじゃないかな。
漁民にとって、いや農民にとっても狩猟民にとっても
夕日は明日の天気を占う大事なものだから、
みんな気づいて大騒ぎになっただろう。
そのまま沈んでいっちゃったら、
そりゃぁ、おちおち眠ることはできないよね。
恐怖もあって夜っぴいて飲めや歌えやで
太陽を呼び戻すお祭りが始まったろう。
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なんて考えながら、大阪へ来たけど、
大阪はもっと雲が厚い感じだった。
Yさんに聞いたら、さっきまでは見えてたのだそうで、
息子さんとベランダで見てたんだって。

これはまだ7割くらいの欠けのようだが、
構図がカッコイイのでもらいました。
いいなぁ、一緒に日食を見られる子どもがいるって・・・。
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広島東京のお友達が日食について書いてくれてる。
こちらははてなで見つけた中国杭州の皆既日食レポ
上海は雨降ってたらしいよ・・・トホホ。
土産話と写真楽しみにしてたのに。
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うちの月齢時計たちと記念撮影してみた。
でも、みんな新月なので黒くなってるだけでわかりません。
10時前後ですが、これは午後撮ってます。
時計によって時間がちょっと前後しておりますが、
ムーンフェイズの時間合わせ難しいんだもん、
どうぞ、お見逃しをば。もう一つ、携帯の待ち受けを
星座早見表と月齢カレンダーにしてるんだけど、
その携帯のカメラで撮影してるので写真が撮れません。
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マスコミでは、26年後なんて騒いでますが、
3年後に東京-大阪-四国南部-九州南半分と金環食が来るよ。
日本全国、部分日食なら今回くらいかそれ以上は見られるはず。
「なんでそのことは言わないの?」と長女にも夫にも言われたけど、
それはマスコミの不勉強とお商売の方々の戦略ってものでしょうよ。
金環食楽しみだなぁ、朝なんだ〜、7時台、絶対見るよ〜。
日食メガネ、どこにしまい込んだか覚えておかなくちゃ・・・。
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wikipedia:日食←日食のサイトへのリンクがあります。