吉葦有梨 よのなかのこといろいろ

よしとあし、ありとなし

百十二日目 魅入られる

次女は中学三年だが、
九月二十六日が運動会だった。
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九月二十六日と言えば、
大阪や奈良の人はわかるだろう、
あの、午前中に滝のような雨が降ったあの日だ。
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夜明けに雨が降って、
午前の七時台には一旦やんだのだ。
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天気予報は今日は一日降ったりやんだり。
次女は「今日はないわ〜」と言ってたが、
外を見ると薄日が差している。
長女を駅まで送っていくときに
体操服姿の中学生を見たんで、
こりゃ、運動会やるなぁ。
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運動会の集合時間は早いんである。七時四十五分。
帰り着くと次女をせかせて、車で送り届けた。
で、帰ってきた頃にはなんだか空が暗く・・・。
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そのままどんどん暗くなってきて、
そのうちに雨が降り出し、
なんだこりゃぁってな雨になった。
TVをつけると大阪と奈良北部に大雨洪水警報が出てるよ〜。
運動会どうするんだよ〜。
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と思うと十時半頃ぶんむくれのびしょ濡れで帰ってきた。
警報が出たので、来週の火曜に順延だ。
そんな話を聞いてたら、雨も小降りになり、
警報も解除になった、はははと力なく笑うしかない。
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雨が降るに決まっているので、
リレーを先にやり始めたのだが、
一年、二年が走ってるときは雨は降ってなかったそうな。
三年が走り出すとほぼ同時に
バケツをひっくり返したような雨が・・・。
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あああ、やっぱりぃ、
この学年、行事行事でやたらとたたられるのだ。
単に雨だけではない。
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台風が近づく中、台風方向へ社会見学に行った。
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小学校時代の遠足では大阪城SARSの台湾医師とニアミスした。
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それもこれも小学校二年の運動会が発端なのである。
この人たちが音楽に合わせて踊りを踊った。
その最中に雨が降り出し、中止、順延となったのだ。
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その踊りは竜神様への雨乞いの踊り
セリフもついてドラマ仕立てになってて運動会映えがするとの先生方のご判断だろうが、
純真な二年生が真剣に思いを込めて踊って見事に雨乞いがかなったのである。
運動会に「雨乞い」してどうするんだよ。
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それからもちょっとないほどの天候や出来事に巻き込まれるので、
この学年、龍神さまに見込まれてしまったらしい。
「魅入られる」というのはこういうことなんだなぁ。
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私:龍神さまに見込まれてるからなぁ
次:去年もおととしも運動会晴れてたわっ!
私:ふふん、この学年そろってる最後の屋外行事やろ?
  この後もあんただけについて来はったらどうするぅ?
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翌日は同じ校区の小学校の運動会だったが、
朝のTV、どのチャンネルも「絶好の運動会日和です」と
言ってたのが、余計悲しかった。
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順延の火曜日も雨なので、今日やっと運動会が出来た。
めでたくお天気、よかったです。