百十話目 ダツラ ミステリと植物(1)
ミステリと植物ってネタでいくつか書けそう。
でも、手元に本がないのでうろ覚え。
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「ダツラ」が出てきたのは、
京極夏彦作『姑獲鳥の夏』。
ネタバレになるのでそれ以上のことは言えない*1。
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本文中では「ダチュラ」だったような気がする。
それが昭和三十年代にあってるのか?
その当時「ダツラ」が一般的でも、
会話に出しているのは旧制高校卒の人たちだから、
英語読みして「ダチュラ」?それはないで・・・。
むしろ、ドイツ語読みしそうなものだ。
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ダチュラはチョウセンアサガオ、
かの華岡青洲が乳癌手術の麻酔に使った薬草*2。
和歌山県立医大の校章はこの故事にちなんでチョウセンアサガオだそうだ。
和歌山県立医大のホームページ
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「ダチュラ」は「エンジェルトランペット」という別名で
ここ十年ほど流行なんである。
東京は築地の並木の脇でもこんなに大きくなっている。
職場の近くでは、歩道の敷石の間からも生えて来てるくらい。
こんな毒草がそこら中にあふれかえっていていいのか?
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と思ったら、エンジェルトランペットはキダチチョウセンアサガオで、
今ではダチュラ属ではなく、え〜となんだっけ、
そうそうブルグマンシア属*3になってるんだというのだが、
ちっとばかし、立ち上がっていて、花が下向きに咲くからって、
同じ毒はあるんだし、似たような葉っぱだし、
どっちも白くて首の長いふにゃぁとした花殻になるので、
ヨルガオ・月下美人に並んで私はこわくてたまらないし
わざわざ別属を立てる意味があるのか?
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同じナス科の中、ナスとトマトは同じナス属、
ナス属とトウガラシ属とタバコ属、クコ属は違うよな。
しかし、チョウセンアサガオ属とキダチチョウセンアサガオ属、
ペチュニア属とカリブラコア属 、
分けなきゃいけないほど違ってますかい?
分けたのは分類学者の名誉欲じゃぁないのぉ?
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ググってみると私と同じようなこといってる人がいた。
ウィキペディアの「キダチチョウセンアサガオ」で
違うものとされてる「キダチチョウセンアサガオ」と「コダチチョウセンアサガオ」も
同じじゃないの?というような話。
まぁ、この人は最後に「アサガオはサトイモ科」って書いちゃってるんだけどね。
アサガオはヒルガオ科でタネに毒性があります。
下剤として日本に入ってきたらしいよ。