吉葦有梨 よのなかのこといろいろ

よしとあし、ありとなし

六十九日目 夜の雷

東へ向かって家へ帰ると、生駒の向こうがいきなり光った。
残像を再生すると、入道雲の形の外側が光っていた。
音は聞こえなかった。
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生駒のこちらでは月が皓々と照って、
 今、「皓々」と「煌々」の差について感じを調べたら、
 月の光が明るいのは「皓々」、「煌々」はきらきら光ること、
 旧仮名遣いでは「かうかう」「くわうくわう」で
 紛れようはなかったんだね。

木星が隣に寄り添って、西にさそり座も見える。
       *
山の向こうの入道雲は随分向こうにあるのだ。
何年か前の夕方、
ものすごくバンバラバンバラ光ってる雲に向かって
帰って行ったことがあった。
トンネルを抜ければ、土砂降りだろうと思ったが、
まだまだ全然美しい夕焼け。
大きな雲は奈良盆地を越えて笠置山地の向こう、
大きさは大して変わっていないから、
伊賀地方よりもっと向こうだろう。
伊勢湾のあたりで雨を降らしているのだろうか?
随分遠くまで見えているものだ。
水平線って何キロくらい先が見えてるのかな?
巨大な入道雲だと水平線よりずっと遠くまで見えるんだよね。