吉葦有梨 よのなかのこといろいろ

よしとあし、ありとなし

九十七日目 あかとんぼ

九月の初め頃、庭に一匹の赤とんぼを見た。
日を浴びて、鮮やかで独特の赤、
なにやら透明感さえ感じさせる本物のの赤だと思った。
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アキアカネやらナツアカネやら
どちらかはわからないのだけれど、
久しぶりに赤とんぼを見たと思った。
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最近集団で見かけるトンボは
ウスバキトンボで、赤くないんだもの。
ウィキペディアで読むと
このトンボは早ければ一ヶ月ほどで親になり、
南からどんどん北上して広がっていくのだが、
寒さに弱く、越冬は出来ないらしい。
お盆の当たりに発生する地域では
「精霊とんぼ」と呼んで捕らえてはいけないとすることもあるという。
ヤンマ類と違って、力みが感じられない
確かに魂か何かのような飛び方をする。
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本州南部では五〜六月からみかけるそうで、
そうそう、今年もその頃大阪の中央環状線の路上分離帯上を
集団で飛んでいたっけ。
ちょっとしたたまり水にも産卵し、
ボウフラを喰って一ヶ月で親になるので、
都会で見かけるトンボはこのトンボが多くなりそうだ。
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今日も奈良の田んぼの上を集団で飛んでいたのは
ウスバキトンボ。
アキアカネは暑さに弱く、夏は涼しい山の方へ移動するんだそうで、
30度あると生存が難しいって、近畿じゃ生きていけないかも。
まだ、このあたり30度前後あるから、
私が見たアカトンボはどうもナツアカネの可能性が高い。
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昨今の猛暑続きの熱帯気候、
アキアカネ絶対的な危機か?
それで、赤とんぼあんまり見かけなくなったのか?
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ナツアカネはどうしたんだろう?
こちらは彼らが繁殖できる小さな池なんかがなくなっちゃったから、
見かけなくなったのかなぁ?
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秋津島大和の国、赤とんぼがいないとさびしいじゃないか。
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